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映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」感想・考察【神山健治監督作品】

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ひるね姫 オリジナルサウンドトラック

 

映画ひるね姫、2017年3月18日ついに公開!!

僕が大好きな神山健治監督作品ということで、本当に待望の…という感じでしたが、さっそく観てきましたので感想を書いていこうと思います。

ネタバレを多く含んでいるので、まだ観ていない方はご注意ください。

 

 

全体の感想

新鮮さや、攻めの姿勢を感じる、良アニメーション作品になっていました!

 

神山健治監督といえば、「攻殻機動隊S.A.C」や「東のエデン」など、近未来かつリアリティな作品が多い印象があります。

今回の「ひるね姫」は、そういった神山監督の「らしさ」を残しつつも、夢や魔法、さらには巨大ロボットまでが登場する、SFファンタジー作品となっていました。

 

主人公・ココネが巻き込まれる現実での事件(リアルさ)と、彼女の見る夢(ファンタジー)が交差していく展開は、非常に新鮮さを感じて見ごたえがあります。

また、夢の世界でのファンタジーな展開が、ほんの少し間違えば、とっ散らかったものになってしまいそうな繊細さがありました。本当にギリギリのところまで攻めているなと。神山監督の今までの作風とは違うものを作りたいという、攻めの姿勢を感じました。

だからといって「らしさ」は失われておらず、ファンタジーの要素が強ければ強いほど、現実世界のリアルさ、つまり神山監督が得意とするものが浮き彫りになっていて、かえって「らしさ」を強く感じる作品になっていたと思います。

 

本作のみどころ

みどころはいくつもありますが、絞って挙げさせていただくと、「ココネの夢と現実のリンク」と「家族愛」になるかと!

 

本作でまず鍵となるのは「ココネの夢」です。

ココネが夢で行動したこと、解決したことが、何故か現実世界でも反映されます。はじめは観ていて「なんで? どういうこと?」と疑問で頭が埋め尽くされました。

しかし、物語が展開していくにつれて、そのカラクリが明らかになっていくところに、思わず「ニヤリ」となってしまいました。すごく緻密に計算されていて面白かったです。夢を使ったミステリーみたいな。

 

それから次に鍵となるのが「ココネの母・イクミ」ですね。

ココネが生まれてすぐ亡くなってしまったイクミ。ココネは、母について何も知らないと思っていましたが、実は父・モモタローから物語「エンシェンと魔法のタブレット」として母のことを教えられていたのです。そして、その記憶がココネの夢となり、その夢がココネを助けることになります。

もうこれだけでもいい話なのに、モモタロー、そして自動運転のサイドカー(=イクミ)がココネを助けに来る展開がたまらなすぎて…!

さらには、そのことがきっかけで、ココネの祖父・志島一心との確執も解決。家族がひとつになった和やかなシーンには、とても心が温まりました。

家族愛、最高です!

 

 

ここからは、「ひるね姫」で個人的に好きだった要素をつらつらと書いていきます。

ココネの夢

ココネの夢の正体は、モモタローが話して聞かせていたイクミの物語だったのですが、その比喩表現が、個人的にとっても面白かったです。

 

「魔法」=イクミが作った自動運転システム、というのが理解できた時は、タブレットで魔法を使うという、なんともギャップのある設定にも合点がいきました。

 

そして「鬼」という存在。エンジンヘッドと鬼が戦う様は、なんだかエヴァンゲリオンを彷彿とさせました(笑)

この「鬼」は、ココネの祖父であり、イクミの父である志島一心の心や、今という時代を表しているように感じました。

一心は、娘の提案した自動運転を受け入れられず、そしてそのことがきっかけで娘を失ってしまいます。その凝り固まってしまった思考、娘を受け入れてやれなかった後悔と罪悪感が「鬼」であり、自動運転のような新たな発想・技術を取り入れなければ勝っていけない競争社会や、そのように移り変わっていく時代が「鬼」であるのかなと思いました。

 

人によってそれぞれ解釈はあるかと思いますが、こういった考察ができるというのは、非常に面白いポイントです。

「鬼をモモタローが倒す」というのも痛快ですよね(笑)

 

散りばめられた科学技術

本作に登場した科学技術やメカニックの数々には個人的にテンションがあがったポイントでした。

 

まずエンジンヘッド。

デザインがかっこいい! 最後にモモタローが搭乗したエンジンヘッドは「専用機」という感じがして、ロボット好きの心をワクワクさせてくれました。

フィットネスバイクみたいなので、各部位を動かすというギミックは本当に面白かった! 魔法がなきゃ絶対勝てないよアレは(笑)

 

そして、サイドカー「ハーツ」のデザインも大好きでした。あの愛着が湧きそうな感じ。スター・ウォーズのR2-D2もそうですが、可愛さを感じるロボットデザインてやっぱあるんですね。丸みを帯びているというか。喋れないのがまたいいですよね。

そういった愛着もあるせいか、ラストにココネを助けにくるところは本当にグッと来ました!

 

あと、モリオとその友達が使っていた、ヘッドマウントディスプレイやレーザーキーボードの存在もテンション上がりました。実際に今あるものよりも少しだけ進歩している感じが、2020年というリアルさを引き立てていたように思います。

 

神山監督というだけあって、近未来感やロボが好きな人にも面白い作品になっているんじゃないでしょうか!

 

ココネが可愛い

主人公のココネが可愛かった! 方言でしゃべるというところもいいですね。

ココネは何の変哲もない女子高生ですが、芯もあって、行動力もあります。いつも寝てばかりだけど、家族のために奮闘する強さには惹かれるものがありますね。後先をあんまり考えずに動いちゃうところも高校生っぽくて可愛かったです(笑)

 

キャラデザだけみると、少しギャルっぽい印象も受けますが、高畑充希さんの声や芝居が、どことなくボンヤリした優しい感じで、ココネらしさが出ていたのかななんて思います。

 

音楽が心地いい

どのシーンにも寄り添うような音楽の存在が、非常に心地よかったです。

主張しすぎず、かといって物足りなさもないですし、それぞれのシーンでやりたいことを補完しているような、BGMとしてとても優れた音楽だったように思います。

冒頭の倉敷の海や、その日常が映し出されるシーンの美しいピアノの旋律たるや。

 

ちなみに音楽は、下村陽子さんが担当されています。

昔のカプコンやスクウェアのゲームが好きだった人には、馴染みの深い作曲家ではないでしょうか。僕も「ストⅡ」や「ライブ・ア・ライブ」なんかの音楽には、とっても思い入れがあって、下村さん大好きです。

 

 

小説版もある

神山監督みずからが書いた小説が、映画の公開前から発売されています。

僕はまだ読んでいませんが、映画を観て疑問点などがまだまだあるので、小説の方も読んでみようかなと思います。

映画では映像やテンポが優先されるので、おそらく解説できなかった要素も多々あるんじゃないかと。自分で考察するのも面白いですが、神山監督がどんなことを考えて、どう表現したかったのか、やっぱり知りたくなります。

まだ読んでいないのでわかりませんが、おそらく小説では、そういった細かい解説などもされているのではないかと。

 

映画を観て「ここシーン意味わからなかったな」と感じた人は、小説を読んでみるのもアリかもしれませんね。

 

さいごに

ひるね姫、個人的にはとっても面白い作品でした!

家族愛あり、ファンタジーあり、SFあり。とっても素敵な要素がつまった作品だなと感じています。

考察の余地もまだまだあるので、色々と考えつつ、小説の方も読んでみようかなと思っています!

 

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたー!